マチネの終わりに
平野啓一郎の「マチネの終わりに」を読んだ。
本の中にはこんな言葉が…
「変えられるのは未来だけっておもうけど、未来は過去を変えている…」
この本を読みながら
久しぶりに元夫との結婚生活について想いを重ねていた。
元夫との過去を消したい。
苦しまぎれだったのか本音なのかわからないが、
口論になりわたしに浴びせかけた屈辱的な言葉を、
そんな言葉を吐く人の存在を、
その人との過去の私を、
消したい。
砂の城が大波にさらわれていくように、
あっけなく、もろく、「ほんとうは形のないもの」を信じて守って生きていた。
いつの頃からか、感性が合わないと思いつつ、そんな砂の城を守ることだけを人生の目的にしていた。
***
6月は、複雑な気持ちになる月。
子どもたちの誕生月なので、
どうしても家族のにおいがする。
元夫側のおじいちゃんおばあちゃんが、お正月と誕生日だけ、書留でお金を送ってくる。おもーいメッセージを添えて。
「会いたい。もう歳だからそのことを考えて、会いに来て欲しい。ママに言って」と。
私の気持ちがグラグラ揺れる。
こんなかたちにしたのは、お宅の息子やろーが。
なんにもなかったように、
なんにも私に自分たちの気持ちを伝えずに、
自分たちの希望だけ伝えてくる。
かわいそうだと思う反面
やっぱりこの家族、私はムリだと思う。
自分の本当の気持ちや
価値観を突きつけてくる相手に、
「向き合うこと」から逃げる人たち。
そんな人になりたくない。
こんな、みみちぃ気持ちを持ちたくないけど、まだまだ私の中にある正直な気持ち。
マチネを読んで、
自分の感性に合う人に囲まれて生きていきたいと、
改めて思った。